私は今まで転職を多くしてきたので「同僚は同僚」と割り切って、その会社にいるうちだけの付き合いというのが当たり前になっていた。
例えばバイト先で辞めていく子が「今度はお客さんとして遊びに来るね」と言って去っていったあとに二度と来ないということも過去の経験から知っている。
中にはかつての同僚で今でもつながりのある人もいるけれど、ほとんどの場合は退職の別れは今生の別れとなる。それは「会おうと思えばいつでも会える」という事を思えば寂しくはないのだが、会わない時間が長くなるほどに連絡すら取れない間柄となっているものである。
だけど年末まで働いていた会社は違った。
派遣切りに遭う前も何度か転職を考えたこともある。それは私が他でもない“派遣社員”で、自分が望んだとしてもかなりの確率で3年というタイムリミットが待っていたから。
それでもその度に転職を辞めていたのは単に上司から引き留められたっていうのもあるけど、何より今まで働いた会社とは比べ物にならないくらいに人間関係が良い職場で、もっともっと同僚でいたいと思ってしまったからでもあった。
その会社にはなぜかサッカー好きも多く、都内の会社だというのに私と同じガンバ大阪のサポーターの人までいた。他には名古屋とか鹿島とか、川崎のサポーターの人たち。
応援しているチームは違うけど、リーグ戦とか日本代表戦の翌日は試合の話をたくさんしたりして楽しかった。
3年の縛りで契約更新にならなかったわけではなく、派遣元のごちゃっとした荒波に揉まれているうちに気づけばポイっと荒波の外に放り出された。
口では「いつでも切れるのが派遣だからね~」などと話してはいたけど、やっぱり寂しかった。元々4人いた派遣社員が社員になったり、飛んだりしたので結局辞めさせられたのが私一人だったというのも寂しい理由かも知れない。
12月の半ばから有給消化で休み始めてからも未練たらたらだった。
長い連休が終わったらまた出社して仕事できたらいいのに、とまで思ってた。
辞めてしばらくは毎日仕事のことを考えたりしてた。
でも今日、ふらふらと買い物をしていて気づいた。
大好きだった会社のことがしっかり過去のことになっている。
もうずっと前に辞めてたかのようにただ懐かしいと思ってた。
いつの間にか未練はなくなっていたようだ。
良くも悪くも、やっぱり時間っていうのは物事を忘れさせてくれるんだなぁ・・・。
それが少し寂しい反面、ありがたい機能だなと思った。
忘れられないことほど、残酷なことはない。
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