火星が地球に大接近する、というので空を見上げた話。
昨日夕方のニュースで「火星が地球に大接近します!」と言っていた。
予定時刻は23:45頃に最も接近するとのこと。
私はこれ系の話題はいつもスルーしてしまう。というか、いざその日・その時刻になるころにはすっかり忘れてしまうというのが正しい。
でも昨日は忘れずに空を見上げた。
私は実家で在宅勤務をするようになってから、近所の地域猫3匹のお世話をしているので夜に何度か外に出る。周辺には野良猫たちは結構多いのだけど、子猫時代から顔見知りの猫に仲良くしてもらっている。
お腹を空かせているので、最初はワンコが食べなかった余りもののカリカリを分けてあげてたのだけど、犬のカリカリってそんなにおいしくないんだって。猫の方は美味しく出来ているらしい。
どうりでそんなに食いつきが良くなかったわけだ・・。ということで最近はわざわざ猫用のカリカリを買ってきて食べてもらっている。
そんなわけで、夜にぷらぷらと外に出て猫のところに向かう時にふと思い出して空を見上げてみた。
なるほど、あれが火星か・・と思った。
夕べは関東地方は結構雲が多かったので全体的に見える星が少なかったけど、その星は明らかに明るく、そしてオレンジ色だった。
すごく綺麗に光ってて、なんかよくわからないけどちょっと感動した。
あそこに火星があるのかあ・・・。でも今見えている星の光ってはるか昔の光なんだよね。不思議。
ところで私は1日3回“猫活”をしている。
理由は、気にかけてる3匹が同時に出てくるわけではないからっていうのと、猫本人も私が3回来るって認識してる子がいるってところだ。3回は来るので、お腹が空いてなくてもニャーニャー出てきて私の足元でのんびり毛づくろいをしたり、じゃれてきたりする。
野良人生は寂しいのかもなぁと人間の私は思ってしまう。
その猫は野良なのに人懐っこくて、誰かのお家で飼われていたら本当に幸せだっただろうなぁと思う。
まぁ、それは人間目線だからそう思うだけで、猫は猫なりに自由気ままに外を散歩して好きなところで寝たりしてる生活も幸せなのかも知れないけど。それでも、見慣れない猫がテリトリーに入ってく度に縄張りを守るために立ち向かっていくところを見ると、油断できないなぁ大変だなぁと思うけども。
少なくとも、「これくらいの時間にここに来ればご飯だけは毎日ちゃんと食べられる」という存在で居たいと思う。だから雨が降っても小雨程度なら傘をさして向かう。
夕べもにゃーにゃーと飛び出してはきたけど、お腹は空いてないみたいだったので隣に座って丹念に毛づくろいする姿を眺めてながら、あれこれ話しかける。
※猫も結構普通に話をするとある程度ちゃんと理解するみたいよ。
またふと思い出して、空を見上げたら雲の隙間にまだ火星が光ってた。
「みいちゃんよ、あのオレンジのやつは火星だってさ。地球がダメになったらみんなあそこに移住するかも知れないよ。でもそんな日はみいも私も消えてなくなった後の話だけどね。」
そしたら、地面で伸びをしてゴロゴロ背中をこすっていたみいが「ミ~」と鳴いた。
空ではなくて私をじっと見ていた。
もし遠い未来に、火星に移住する日が来たとしても、地球という塊がはじけ飛んで跡形もなくなったとしても、私たちがそれぞれ生きてきた軌跡だったり、人間と猫の友情だったり、そうゆうものはふわふわと漂いながら、確かにそこにあったのだと残って欲しい。
星レベルで見たら、地球が生まれて消滅するまで、一瞬の出来事かもしれないけどそれでもたくさんの人生があり、忘れたくない思い出もたくさんある。
星レベルでみたら、みいちゃんも私も同じくらい取るに足らない存在だけど、毎日夜に3回会えるという約束がすごく大切で、かけがえのない時間は今の私にとってはすごく大きな存在だ。
だから、きっと今晩も取るに足らないひとりと1匹でのんびりと取るに足らない話をするだろう。そんな人生でも、私はすごく幸せだ。